触診サークル:大腿

骨盤~太ももの働きと触診の練習会を開催しました。

動画は数分ずつです。ご活用ください。

【腸腰筋と股関節の動き】


腸腰筋とは?

腸腰筋は「大腰筋」と「腸骨筋」が合わさった筋肉です。

大腰筋は背骨(腰椎)から、腸骨筋は骨盤の内側から出て、合わさって大腿骨に付着しています。主な働きは「股関節の屈曲(脚を前に持ち上げる動き)」です。

デスクワークなど座っている時間が長い人は、硬くなりやすいという特徴があります。

 


腸腰筋が硬いと何が起きる?ー歩き方との関係

理想的な歩き方は、脚を「前に出す」のではなく、後ろに蹴り出した反動で前に出る動きです。

そのためには股関節が後ろに伸びる角度(伸展)が必要ですが、腸腰筋が硬いとその角度が作れません。

さらに、前側(腸腰筋)が硬くなると、後ろ側のお尻の筋肉が使いにくくなります。

お尻の筋トレをしているつもりでも、実際には腰や骨盤が代わりに動いてしまい、お尻の筋肉がうまく使えていないケースも多いです。

 


ほぐした後に「回路を作る」ことも意識を。

施術でほぐして可動域を広げた後に、定着させるためには、脳と体の「回路」が大切です。日常生活でまた元に戻ってしまう…というのを防ぐために、「回路」の要素を知っておくのがおすすめ。

ほぐした後に、広がった可動域をご本人に動かして確認していただくことで、体が「ここまで動けるんだ」と覚えて、回路が作られていきます。

 

【坐骨まわりの解剖】


引用文献:河上敬介ほか『骨格筋の形と触察法』大峰閣.2019

坐骨と太もも裏の筋肉

坐骨は、太もも裏の筋肉(ハムストリングス)が付着している部位です。

大腰筋・腸骨筋(腸腰筋)も近くを走っており、解剖模型を使いながら位置関係を確認しました。

腸腰筋は内臓の裏側に位置しているため、体の表面から直接触れることが難しく、アプローチする際は内臓を避けるようにしないと触れない場所だと説明されています。

 


腹部大動脈について

この部位の解説の流れで、腹部大動脈についても話が及びました。腹部大動脈は非常に太い血管で、この付近を走っています。妊婦さんが長時間仰向けになってはいけないとされているのも、この大動脈が圧迫されるリスクがあるためです。

また、この辺りの血流が滞ると、そこから下——脚全体にむくみが生じやすくなります。

※【補足】腹部大動脈とは

腹部大動脈は、心臓から全身に血液を送る大動脈が腹部を通る部分です。背骨のすぐ前を走っており、左右の腸骨動脈に分岐して両脚へと血液を供給しています。非常に太く、触れると拍動を感じられることもあります。

妊娠後期には子宮が大きくなることでこの血管が圧迫されやすくなるため、長時間の仰向けは推奨されていません。また、この部位周辺の血流が低下すると、脚全体のむくみや冷えにつながることがあります。施術においても、過度な圧をかけることは避けるべき部位とされています。

 

 

大腿部の筋肉の触診

太ももの前の筋肉の触診の練習もしました。

太ももは前・内もも・後ろと複数の筋肉が上下に走っています。

それぞれの筋肉の「境目」を触れるのが大切。隣り合う筋肉同士がくっついている(癒着、とまでは言わないけれど、くっついて”滑り”が少ない状態)ことも多く、その境をはがすイメージでリリースするのも手技のひとつです。